ミノフスキー粒子が、戦闘地域のあらゆるところに充満する時代、AIも従来の電子機器の塊で構成される事は無くなりつつあった、かわりに有機体メカが主要部分を構成し電磁的障害を克服し、戦闘行為の精度を維持強化していた。
モビルスーツを制御する中心のコンピュータも合成有機体コンピュータとなり、単に”コア”と呼ばれるようになっていた。
この単体のコアはすべて独自のプログラムによって構成されており、同じコアは存在していない。したがってコアと言ってもそれぞれ独自の個体差、言い換えれば個性を持っており、当然戦闘における能力においても僅かではあるが、差が出てきている。しかし最終的には、これら単体の独自性は、マザーAIによる更新時に統合され、分類と評価を受けさらにより良い戦闘マシーンになるべく調整されるか、あるいは適合しない独自性と判断された場合は強制的にリセットされていた。そしてコアが搭載されるシェルであるモビルスーツもそのコアの進化や独自性に合ったものに換装されるかあるいは改造を受けさらなる戦闘に対処しているのが現状である。

だが、戦闘が長引いて新たなサプライズが受けられない状況が続き、直接マザーAIの更新が無い状況下においては、個々のモビルスーツ内のコアはその独自に修正したプログラムに沿って戦闘を持続しなければならず。そうした状況下においてまれに特異な解釈で戦闘を行い、他のモビルスーツの戦闘能力をはるかに凌駕した物が出現することがあり、それはいわば人間におけるニュータイプのごとき進化を見せることがある。
この物語に登場するコアとそのシェルである重装甲モビルスーツもそんな突然変異種であり、持続的な戦闘によってマザーAIからの更新を受けずに、さらに独自の発展として個体改造をして、高度な戦闘能力を持ったマシーン、コアとタイタスSタイプがこのムービーの主役である。

Story#3 ”コアの中の感性”に続く